画期的なグレード
2021年の年次改良で生まれた「NDロードスター990S」は、いつ買えば良いか困っている「迷えるリア充」の背中を押す画期的なグレードとなった。ロードスターの設計がある種の「理想」であることは十分にわかっているけど、もうかれこれ30年以上も同じスタイルで存在し続けたクルマゆえに、「なぜ今なんだ!?」という納得できるものが欲しかった。
どんなクルマを選んでも様になってしまう「イケメン」であっても、今買うならばNDロードスターだと思わせることに成功した。別にフェアレディZやスープラなどのゴリゴリのステータス志向のスポーツカーに乗っている人の多くがブサイクだ・・・なんて一言も言っていない。身も蓋もないことを言ってしまえば、クルマも服も同じでイケメンならなんでも似合うし、ブサイクはどれを選んでも周囲をザワザワさせてしまう。
ロードスターの社会性
どっかの心理学者が主張するように日本人は「自己肯定感」が低い傾向にあり、乗用車だろうが、スポーツカーだろうが、とりあえず「高級感」を盲目的に追い求める傾向があるらしい。免許取ったばかりの人がレクサスに憧れるみたいな感じだろうか。トヨタのモジュールを使ったクルマに過ぎない。確かに北米向けスペックを日本で買えるのは嬉しいかもしれないが・・・。
世界で最も売れてきたスポーツカーである「ロードスター」の立ち位置は日本市場の価値観の中では少々ズレがある。これまでは高級感とは無縁だったことから、良く売れているというほどではなかったけども、いよいよ「レッドリスト」入りし、潜在的ユーザーに決断を迫っている。2015年にFMCだからもう7年以上が経過し、いつ販売終了が宣言されてもおかしくない状況だ。