オペルは・・・来ない
多国籍自動車グループ・ステランティスがドイツのオペルを2022年に日本市場に導入すると発表していたが、情勢が変わり計画は凍結されている。オペルの日本向けサイトは開設されたままになっているので、急転直下でオペルの日本復帰が実現するかもしれないが、今のところは音沙汰なしだ。サイトにラインナップされているのは、BセグSUVタイプのモッカ、Bセグハッチバックのコルサ、CセグSUVタイプのグランドラインの3車種で、いずれもPSAシャシーでFMC済のモデルで、プジョーの2008、208、3008の兄弟車に相当する。
オペルはドイツメーカーだけども長らくGM傘下にあったことで、イギリスで大きなシェアを持つボクスホールという販売チャンネルを持っている。よって右ハンドル車は以前からお手のもので、ステランティスの他のブランドであるプジョーやシトロエンよりも慣れていると思われる。GM時代にはスズキとの協業で欧州のマイクロ車(Aセグ&Bセグ)を牽引するメーカーでもあった。
再検討を!!
いっそのことオペルではなくボクスホールのブランド名でイギリス車のフリをして日本に入ってきてもよかったかもしれない。オペルのB、Cセグメントのモデルはいずれもプジョーの設計のものに置き換わっているが、GM時代の設計を維持しているDセグのインシグニアがまだ現役である。10年くらい前にはオペル&ボクスホールを牽引する人気モデルだったが、今では欧州での人気もなく、後継モデルも未定のようだ。
プジョー508が日本市場で苦戦しているのだから、インシグニアの日本導入なんて考えてもないだろう。しかし設計が異なるプジョー508とインシグニアが同じ市場で併売されることでステランティス・グループ全体の注目度も上がっていくと思う。シトロエンに対してプジョーを高価な設定にして、「DS>プジョー>シトロエン」というヒエラルキーを作ろうとしているようだけど、そこに「シトロン>オペル」を追加して、より身近なブランド設定を期待したいが・・・。