夢のあと
生き残りをかけてブランドへ忠誠を示すファンをかき集める「ブランディング」が過激に行われた。福野礼一郎さんが著書「世界自動車戦争論・ブランドの世紀」で書いている通りの展開なので、この本は見事な予言書だ。高級スポーツカーから撤退するブランドも出てくる。GT-R、Fタイプ、グラントゥーリズモはフルモデルチェンジを迎えられないまま10年を軽く超えるライフサイクルを迎えている。
アストンマーティン・ヴァンテージは1度だけFMCがあった。初代はフォードグループの一員として開発されたこともあり、雲上ブランドが一般人向け価格に降りてきたという強烈なインパクトで話題性があったが、フォードグループから離れて開発・販売のコストがかさむようになったようで、2代目は価格が大きく上昇してしまった。
必然の売り方
華々しいブランドとの競争の果てに、911は見事に市場に生き残ったけども、「素朴さ」がまだまだ溢れていた996系&997系とは、まるで立ち位置が違うセレブ向けスポーツカーへと変貌を遂げてしまった。GT-RやフェアレディZも同じ販売手法を採用しているが、市場に供給する量を徹底して調整することでブランド価値を高めている。注文が来る数をそのままに売ってしまったら、そのスポーツカーのブランド価値が保てない。
年間に全モデル合計で1万台しか生産しないフェラーリのような売り方を、GT-Rも911も採用している。500psを超えるようなハイエンドなスポーツカーは、シビアなブレーキ性能が求められるので、定期的なブレーキローターの交換まで求められる。4枚とも交換したら部品代だけで50万円以上はするだろう。そこまで負担する覚悟をユーザーに強いるのだから、車両価格は高く維持する責任があるってことだろう。