下世話なことだけど・・・
30歳代後半から60歳くらいまでのおよそ25年間のクルマ選びは悩ましい。無難が大好きな日本のユーザー向けに、トヨタはクラウンシリーズを刷新し、MAZDAはCX-60を投入してきた。メーカーが仕掛ける「ライフデザイン」にそのまま乗っかる選択も楽でいいのかもしれない。CX-5に乗るようになってから同型モデルとすれ違うことは増えたが、ふと同じモデルの対向車のユーザーが、自分と同年代でやや疲れた表情に見えたりすると、何とも言えない気分になる。
若者・老人・女性はどんなクルマを選んでも様になるけども、35歳から60歳までの男性にとっては、心理的に相応の車両価格が強いられる。「他人のクルマなんて興味ない」のは事実だけども、ホテルもレストランも利用者はクルマや服装を見てある程度は接客態度が変わることを覚悟する必要がある。どんどん上がる車両価格に業を煮やし、都市部に住んでいて日常的に乗る暇もあまりないし、目的地無しのドライブなんて時間の無駄だと考えるなら、「脱クルマ」という選択が平成の後半では増えた。
下世話なこと・・・続き
しかし「ライフ・ワーク・バランス」という概念が、大企業を中心に浸透し、男性も育休を取ることが当たり前になるなど、社会構造の変化によって、クルマの需要は俄かに復活しつつあるように思う。メーカーが供給量を調整していることも理由だろうけど、登録から3年以内の中古車価格はかなりの高水準で推移している。休みの日はクルマでアクティビティに出かけるスタイルを業界が必死で売り込んでいる。毎週のように出かけて使うならば少しは良いクルマを選びたくはなる。クラウンやアルファードがボトムで500万円オーバーの時代に人々はクルマに戻ってくるのか?
10年落ちで10万km走行のトヨタ・アルファードが100万円以下で買える。もちろんまだまだ十分に走れるし、ごくごく一般的に見かける2代目アルファード(2008〜2015年)なので、それほどデザインの劣化もない(3代目や現行よりカッコいいのでは?)。しかし400万円くらい払ってでも3代目(先代)を買う人も多いようだ。よっぽどのアルファード好きでもない限り2代目と3代目の違いなんて気にならないのだが・・・。