ステータスの現在地
医者、官僚、銀行、商社など、ステータスの高い職業だと、どうしても横のつながりを避けては通れないので、クルマ選びもそれぞれのステージで苦心するらしい。プリウスでいいわけないし、ハリアーやアルファードのような庶民が背伸びして乗るクルマでもエリート意識が維持できないから、レクサス、メルセデス、ポルシェ、アウディ、BMWの5大ブランドがどうしても必要らしい。
若い頃にはスポーツカーに乗っていたけど、35歳を過ぎてからはクルマはずっと最新世代のメルセデスやレクサスを乗り継ぐ。それがエリートの無難なクルマ選びになってしまっている。900万円もする最新世代のメルセデスEクラスやレクサスRXが、休日の東京では結構当たり前に走っている。「誰がこんなクルマ買うの?」というネットの意見もあるけど、彼らにしてみたらハリアーやアルファードは選べないのだから仕方がない。
クルマ辞めます
しかし「エリートのクルマ好き」ともなると、直4のEクラスやハリアーもどきのRXに価値を見出しにくくなる。その結果1500万円するポルシェ911やBMW・M5を買うか、そんなローン生活を嫌って表面上の「脱クルマ」宣言をする。世間体にはクルマはやめたといいつつも、こっそりと自分の感性に合ったクルマを所有する。GRヤリス、アバルト595、MINIジョンクーパーワークスなどの過激なホットハッチが今でも順調に売れ続けるには理由がある。
公道でリスクを冒してスピードマウントを取ってしまいがちなホットハッチではなくて、ボディサイズや重量に対して適正な出力の「MTのBセグ」でドライビング主体のクルマ趣味を堪能する人もいる。新車車両価格は200万円でお釣りが来るくらいで、純正オプションも高級車とは違って手軽な価格設定になっていて選択の幅も広い。あれこれでフル装備にしても乗り出しは250万円くらいで収まるから、ポケットマネーで楽しむ趣味の範疇を超えない。・・・まあ最終的には足回りやロムチューンに手を出して400〜500万円くらいかかってしまうようだけど。