Cセグ市場の行方
なんとなく売れていたCセグが短期間の内に市場を失っている。オーストラリア、カナダ、NZなど環太平洋地域では、MAZDA3の販売が好調で、各国でカーオブザイヤー受賞などのニュースが流れていた。しかしこれらの国々でも2023年は10%に満たないBEV化(ZEV率)だったが、カナダでは2024年末の段階で20%(2026年の政府目標値だった)の達成が目前だ。
太平洋地域において新たにMAZDA3で獲得したシェアを引き継ぐためにも、MAZDAは専用シャシーによるCセグのBEVの投入を急いでいると思われる。「BEVは悪」みたいな議論がまかり通る上に、世間体ばかり気にして車体の大きなモデルに注目が集まりやすい日本市場とは真逆で、個人主義が浸透しているカナダやオーストラリアでは、低コストかつ安全で、道を選ばず気ままに乗れるCセグの人気は高い。
趣味に合わせたクルマ選び
環太平洋の高所得地域に浸透しているMAZDA3とインプレッサだけども、次期モデルはBEVとの併売に移行が決定的で、開発費や製造コストが余分にかかることから、利益の確保が難しくなることが予想される。現状でCセグが敬遠されている日本市場においては、もはや投入するメリットはあまり見出せないかもしれない。メルセデスもレクサスも諦めたCセグ・ロードカーが、日本市場で突然に売れ始めるとは考えにくい。
かつてのようにブランドごとの車格・ヒエラルキーでラインナップが構築されていた時代なら、ステップアップのユーザーが一定数は流れてくるのだろうけども、今ではクルマを買うユーザーは明確な目的があった上で選ぶようになっている。車中泊(キャンプ)、釣り、スキー&スノボ、スポーツ自転車(輪行)などのアウトドア趣味の広がりで、ミニバン、SUV、軽バンが販売の中心になっている。