MAZDAに芽生えた自信
「初代フォーカスの快進撃と5代目VWゴルフからの完成度の高さは、MAZDAの技術が根底にある」 といったプロットをブログにまとめたら、「MAZDAを持ち上げすぎだ!!」とコメントでお叱りを受けたこともあった(納得してないですけど)。MAZDAが欧州市場の技術競争で主役を張り、世界のトップとして認められた一連の出来事は、現地メディアがフォード、VWの両陣営を「スキャンダラス」に取り上げた上、フォードとVWの注目度の高さがあってこそで、幸運にもMAZDAは大きな財産(自信)を手に入れた。
2008年頃に「ターボ or NA」論争で決裂し、フォードとは袂を分けた。2012年以降のMAZDAは本来のスポーティさを抑えて、ユーザーをカーライフへ誘うべく「魂動デザイン」での世界的評価にこだわった。2010年代前半には「なぜターボ化しない?」と批判され、2010年代後半からは「なぜHEV化しない?」と罵倒されてきた。欧州市場でVWと、日本や北米でトヨタと戦う上で、資本力で上回る相手と同じクルマ作っても勝ち目などないのだから当然の選択である。
MAZDA、ポルシェ、フェラーリは特別だ
2024年にBYDが躍進し、販売台数ではトヨタ以外の全ての日本メーカーを上回った。500万台以上が、トヨタ、VW、ヒョンデ、GM、ステランティスの5グループで、6位フォード、7位BYD、8位ホンダ、9位日産となっている。BYDの後塵を拝するホンダと日産の合併交渉があったようだ。投資家、日経新聞、大局を語りたがるカーメディア(国沢、池田直)には、「200万台超えたメーカーのクルマ作りは硬直化する」と放言するスモールプレーヤー・MAZDAは視界にも入らない。
同じスモールプレーヤー(100万台クラス)のボルボ、スバル、三菱は、それぞれ吉利汽車、トヨタ、日産との技術提携に軸足を置いていて、世界の頂点を見据えるような「大風呂敷」はやらない。BMW、メルセデス、テスラといった知名度抜群のミドルプレーヤー(200万台クラス)が、中国四大メーカー(BYD、吉利、長安、奇瑞)に次々と抜かれ、出口の見えない2025年を過ごしているのだが、MAZDAには悲壮感などまるでない。ミドルプレーヤーのいくつかが、もしかしたら廃業してるかもしれない2030年に予定通り電動化率100%を達成するのだろう。