自動車業界の「大谷翔平」
前述した通りジャパン・モビリティショー2025の2つのコンセプトカーやオートサロンで発表された「ICONIC・SP」は、欧州市場の主役へ回帰する明確な意思表明だ。日本、北米、豪州の各市場では、トヨタがビビるくらいのヒット車を何度も作ってきた。そろそろSUVが売れることにちょっと飽きているのかもしれない。改めて初心を忘れずに、ポルシェのグランドツアラー(911)や、MINIのような普遍的なスポーティハッチを欧州市場で成功させるくらいの偉業を目指したいのだろう。
2030年までにBYDが販売台数でトヨタを捕えるか?なんてカーメディアが真剣に語っているけど、クルマ好きのほとんどはBYDもトヨタも買わない。ポルシェやBMWのスポーツモデルは高額過ぎる。一方でスバルは、世界的なMT車の廃止が進む中で新たに日本市場に6MT・4ドアのターボ車を導入するようだ。100万台クラスだけど強固な地盤を持つMAZDAやスバルが一番動きやすいという意見はやはり当たっている。
フォードとの日米同盟復活は!?
BYDに簡単に負けてしまうトヨタではないだろうが、トヨタ、レクサス、センチュリーそれぞれのブランドはBYDの格好のターゲットになりそうだ。レッドオーシャンで覇権争いに必死なトヨタ、ホンダと違って、中国から競合が出てこないブルーオーシャンにいるMAZDAは、トヨタから見たらパートナーに適任なのかもしれない。しかしMAZDAから見たら、トヨタと統一されたら全ての市場で競争力を失うことになる。
MAZDAが今回のコンセプトカーの市販版で再び欧州での成功を求めるならば、2002年の時のように欧州に地盤を持つフォードとの提携が近道だと思われる。MAZDAが欧州から離れてから、EVシフトの混乱があったとはいえドイツメーカーの進化が止まってしまった。MAZDAがフォードと共に欧州に帰還したら、再び自動車産業は盛り上がるような気がする。まあ素人の妄想に過ぎないけど・・・。
後記
最後までお読みいただきありがとうございます。この投稿は2025年11月12日時点での情報をもとに記述しています。今後とも日本市場で展開する自動車メーカーについて思うところを綴っていきたいと思います。