選択肢多過ぎ問題
コンパクトSUVがブームと言えるかどうかよくわからないが、日本メーカー、輸入ブランド問わず、やたらと車種だけは増えている。そんな中で、このジャンルの先駆者的存在であった日産ジュークとトヨタC-HRが日本では販売されていないのが残念だ。どちらも欧州やオーストラリアで販売され、ジュークは英国工場の生産で、6速MTか7速DCTと組み合わされる1Lターボと、ルノー・キャプチャーと同じE-テックのHEVが搭載されている。
トヨタC-HRは2023年から二代目となり生産拠点はトルコに集約されている。パワーユニットはプリウスと同じで1.8L、2.0LのHEVと、2.0LのPHEVの3種類で、「GRスポーツ」のグレード名でも欧州でも展開されている。日産とトヨタがそれぞれに欧州市場向け専用車として二代目ジュークと二代目C-HRを仕立てるほど、コンパクトSUVは欧州などの成熟市場との相性がとても良いのだろう。
欧州デザインが冴え渡る
日本市場に参入する輸入ブランドと同じように、日本メーカーが欧州市場で定番ブランドとして認知されるためには、コンパクトSUVでしっかりシェアを切り取ることが大事だと、日産もトヨタも認識しているのだろう。デザインも両メーカーの日本向けモデルとは違い、欧州を意識した独特なエクステリアデザインが見られ、フロントだけでなく、サイド、リアから見てもすぐにジューク、C-HRだとわかるダイナミックな造形をしている。実際は5ドアなのだが、一見したところフロントドアだけが目立つため3ドアハッチバックに見える。
アメリカメーカーながら欧州市場に地盤を持ち、欧州専用設計車を作り続けるフォードは、2012年からコンパクトSUVのエコスポーツを販売していた。2019年にかつてクーペで一世を風靡した「プーマ」の名称を使った新しいコンパクトSUVをWRCのベースモデルとして発売してこれが人気となり、2023年にはエコスポーツとフィエスタの販売が終了し、Bセグは「プーマ」に集約された。ミニマムボデーに48V直3エコブースト170psを6MTで操る「プーマST」が日本にも並行輸入されている。