因果関係
MAZDAの幹部がW124やE39に比肩するような歴史的モデルに挑戦したい想いをダイレクトに述べているのだから、FRシャシーのスタート地点はやはりスポーティなハンドリングを持つスポーツセダンがイメージされていたと思われる。MAZDA6の後継モデルをFRシャシーで作り、自然吸気の直6ガソリンをこの世界に復活させるセンセーショナルな企みに社運を賭けた・・・信じたを心中覚悟で突き進む姿こそがMAZDAらしさだ。
2022年6月の株主総会前に副社長を務めていた藤原さんが退社され、その直後からコンサルタントとして活動されている。MAZDAに関係するビジネスを起業したい人は、顧客になれば口利きをしてくれそうだ。副社長の突然の退任は様々な憶測を呼んだけども、いつの日かフェルディナント=ヤマグチさんみたいなライターが藤原さんに真相を聞きに行ってくれるだろう。その時にはMAZDA6廃止の理由も明らかになるだろうが、今はファンがあれこれMAZDAに対して想像を巡らす時間を与えている。
否定できない
GJアテンザでダブルウィッシュボーン(DWB)が廃止されたことを残念がっていた藤原さんと、W124やE39を名指しで、次世代MAZDAの進むべき道を確信した虫谷さんを考えると、「DWB復活」のCX-60は自然な流れに見える。MAZDA6をFRではなく、CX-5のように横置きエンジンのまま延命するには、中国&北米の販売が足りなかったようだ。中国市場では先代までの人気が下降し、北米でも車格に対して排気量不足というMAZDAの自己分析もあるように不調に終わった。ディーゼルの投入できなかった誤算はあったが・・・。
新たに開発したFRシャシーに3.3L直6のガソリンエンジンを搭載して、MAZDA6の後継モデルを仕立てることは、あるタイミングまでは既定路線だった可能性が高い。すでに7年も前に次期MAZDA6を示唆するようなコンセプトモデルも発表されており、セダンの概念を拡張してしまう異様なまでの完成度は、世界中で絶賛されていた。次期MAZDA6の予定は最初からなかったとしたら「VISION COUPE」とは何だったのか!?という話になる。