隠された事実
数日前に北米のIIHSが2024年版の衝突安全テストの結果をユーチューブでも公開した。今回エントリーしたCX-90、CX-50、CX-30、MAZDA3のハッチバックとセダンが、極めて良好なようでスモールオーバーラップで全車が「GOOD」を出している。今回にテストされた他社モデルを見ると、レクサスES、スバルレガシィ(セダン)、トヨタ・プリウスなどが「GOOD」を逃している。衝突安全に強いと思われてきたノッチバック(セダン)が、縦置き直6を備えるSUVのCX-90を下回る結果になったことは、大きな時代の転換を予感させる。
個人的にMAZDA車を初めて買ったのは2012年で第五世代が終わるタイミングだった。生産終了間近のGHアテンザを滑り込みで購入したが、この時に北米IIHSやユーロNCAPで圧倒的に優秀な成績を収めていたモデルということが決め手になった。2012年当時のGHアテンザ(2代目)とBLアクセラ(2代目)は、OECD諸国に確固たる販売網を持つグローバルモデルであると同時に、どこのNCAPであっても最高レベルの評価を得ていた。その後に初代CX-5が発売されるが、MAこの頃のSUVの衝突安全スコアはMAZDAの中ではやや劣るものだった。
IIHSの評価が激変している
NCAPでは「SUVよりロードカーの方がスコアが高い」が常識だと思っていた。実際にCX-5もCX-9もIIHSの最高評価を獲得するまで時間がかかった。その頃の私のブログ投稿に「SUVは衝突安全性において大きな欠陥があるようだ」みたいなことを書いた記憶もある。2021年に北米で一足先にMAZDA6が廃止されたが、その最終年においてもIIHSでも最高評価「TSPプラス」を得ていた。全モデルで最高評価を得るためにMAZDAは年次改良を行い、NCAPでの高い評価をブランド力の礎としている
IIHSではスモールオーバーラップで「GOOD」評価でないと最高レベルの「TOP SAFETY PICKプラス」に認定されない。MAZDA6が常に最高評価を得てきたのだから、他社の同クラスの「ミッドサイズカー」もそこそこに好結果を出しているという認識だった。しかし始まったばかりの2024年では「TSPプラス」はホンダアコードとヒュンダイ・アイオニック6の2台だけとなっている。アイオニック6はBEVで重量があり、テスラと同じくIIHSでは良い結果を出しやすい部分がある。