どーせ911とか出てくるんだろ?・・・バレた。いやいやポルシェのRRを指して、かつてこのブランドと対峙したGT-Rの水野さんは「ブランド主義による足枷」と糾弾していましたが、この設計だからこそ台頭するマツダや三菱にブレーキング性能で決して負けなかった!!とも言えます(日産のブレーキ・・・)。またブレーキ以外にも「商品性」全体的に高めるという意味では、「孤高」の存在であることが非常に合理的なコンテンツになっていて、その匂いに群がる世界中の有象無象なファンをかき集める事に成功しているわけですから、確かに「矛盾」ではありますけども、少々違うんじゃないかと思いますねー。もし911がFRだったら・・・ただの86!?。
ここで選んだ「矛盾した設計」とは、素人でもわかるレベルの瑕疵を「わざとらしく」組み込んでいる設計のことです。どれもこれも人気のクルマばかり(1台違うのもあるけど)ですから、案外「矛盾」こそがいいクルマが生まれる鍵なのかもしれないなー・・・と思った次第です。それでは・・・
第5位 ルノー・トゥインゴGT(224万円)
ルノー・トゥインゴは、スマートと共同開発してRRとして新しいクルマになりました。すでにその高性能版として『GT』が設定されていて、いよいよ224万円で日本でも発売されます。先代のFFだったトゥインゴには『GT』のさらに上に134psの1.6L・NAエンジンを積んだ『RSゴルディーニ』が設定され日本にも導入されていましたが、どうやら現行モデルではRS(ルノースポール)は開発されないとか。
ルノーのエンジンラインナップは、0.9L(直3T)、1L(直3NA)、1.2L(直4T)、1.2L(直4NA)、1.6L(直4T)、1.6L(直4NA)の6種類が今後も使われていくようです(欧州にはこのほかにディーゼルが1.5、1.6、2.0の3タイプある)。どうやらトゥインゴに適合するのは3気筒の2種のみみたいですね。それより大きいエンジンはスペースの都合で現状では展開できない模様。ルノーもRRのノウハウが無いのでこれ以上(GTは109ps)のハイスペック化には否定的なようです。このサイズに1.6L自然吸気が載るのがルノーの魅力だったのになー。
第4位 BMW・i8(2029万円)
都心のタワマンの地下駐車場に停めておくには良さげなクルマですねー。488GTBなどに比べて「平べったさ」が足りないぞ!!って思うんですけど、タワマンにガチ馬・牛!!とは違うライフスタイルを求める平和な人々に支持されているようで、白金の国道1号・魚籃坂下交差点辺りでテスラと並んでよく見かけますわ。スタイルはスーパースポーツというよりは6erみたいなラグジュアリークーペな風情で、車重1500kgなので何だかフワっと走っている感じ。動画の女性評論家はかなり小柄な方で、一応は全高1300mmに抑えられています。ここまではとりあえず「矛盾」はないですが・・・。
最近の日本車ってデザインが「ガンダム!!」ってオッサンライター連中にやたらと揶揄されるんですけど、そのリーダー格がコイツじゃないっすか!? BMWとしてはアナログに徹するベースブランドと、ガンダムへと突き進むサブブランド「i」でイメージ分けができているんでしょうけどね。未来志向を掲げて「近未来デザイン」「極小排気量」「マルチモーター」「エアロダイナミクス」・・・はわかるんですけど、「サウンド・ジェネレーター」ってなんか『昭和』な発想じゃないですか!? BMWが考える未来志向って「旧車會」なのか!?
第3位 ホンダNSX(2370万円)
BMWi8に対するホンダのレスポンス!?というか痛烈な批判なのかも。なにせi8は軽量化虚しく2トン級のレジェンドにも及ばないpoorな加速。それに対して日本での販売価格はほぼ同じなのにどこを切り取ってもスーパースポーツなNSX。軽さで曲げるBMWに対して、トルクベクタリングで曲げるNSX。まあどっちが未来かは推して知るべし・・・何ですけども。
どうやらホンダSH-AWDには致命的な欠陥があるらしい。ランボルギーニなどのAWDスポーツカーにはビスカスカップリング式LSD(差動装置)が使われるのが一般的ですけども、これを「機械」から「バイワイヤ」に変えて、三菱AYCを超える究極のベクタリングを目指したようですが、プロペラシャフトとビスカスカップリングをレスして電動トルク化には弊害もあるようです。前輪左右を別々に電気制御する世界初のシステムに挑んだわけですが、どうやら一定速度を超えるとモータートルクを安定的に担保するのが難しくなるらしいです。何じゃそりゃ!?
100km/h超の速度域ではフロントの両輪を協調制御するシステムに切り替わるらしい・・・。ニュルのタイムアタックも盛んに行っていましたが、どうやら通過速度が150km/h近い高速コーナーではトルクベクタリングは有効に機能していない模様です。フロント両輪は直結して同じトルク配分され、一定レベルを超えると通常のクルマと同じようにフロント独立の機械式LSDが作動する機構になっているようです。ホンダも「スネに傷」があるのを隠すかのように詳細を明らかにしていないですねー。
第2位 スバル・レガシィB4(302万円〜)
このクルマはもうそっとしておいてあげたほうがいいのかも。警察庁にも採用された先代レガシィB4は、アメリカで大ヒットを遂げ、太田もインディアナもずっと稼働率100%なんて言われてました。86/BRZを作るための遊休ラインなんてないから軽自動車部門を廃止しました。北米市場においてスバルが単独でVW/アウディの販売台数を追い抜いたのは快挙ですけども、その時の原動力だったレガシィB4の販売は低迷しています。日本市場を切り捨てるかのように北米サイズへとさらなる拡大をした現行モデルですが、狙った市場ではすっかり風向きが変わっていて「SUVの嵐」が吹き荒れています・・・。
最盛期は月販20000台だったのが、気がつけばわずかに5000台しか売れなくなっている!!皮肉にもインディアナ工場はOEMでカムリも作っていますが、こちらは月販40000台に迫る衰えない人気。果たしてSGP(スバルグローバルプラットフォーム)を使ったレガシィB4は本当に登場するのか!?アウトバックを残して廃止!!なんてことになりそうな予感も・・・。
レガシィB4の何が悪かったのか!?・・・誰の目にも明らかですけども、ポルシェが水平対向でパナメーラを作ろうとしなかったのはなぜだ!?ってことですね。ボクサーエンジンでは高級車は無理。フィアット500のガタゴトするツインエア(2気筒)を、2機向き合わせて搭載したエンジンに高級感を求めるなんて、ど素人でも「なんか違くない!?」って思いますよ。
しかもこのレガシィB4に使われるAWDはWRXとは違うオンデマンドタイプです。通常はFF状態で走っているわけですが、エンジンは縦置きされているので、通常の横置きFFと比べても、わざわざ一つ機械式クランクを経由させていて、それだけで数%のエネルギー損失が・・・。この機構自体は縦置きアウディのFF車や最近の日立製オンデマンドを使った「なんちゃってクワトロ」にも同じことが言えますけども、ボクサーのスバルはエンジンの幅がでかくて、サスの設計にも大きな制約があるのに対して、アウディはA4以上のモデルにはフロントDWBが採用されています。さてこの致命的なレガシィB4はどこのメーカーに勝てるのか!?日本市場向けはインテリアにパワーシート&全席シートヒーター標準など、かなり頑張って埋め合わせをしていますが・・・。
第1位 マツダ・デミオXD(180万円〜)
ちょっと贅沢な「困ったクルマ」が4台続きいましたが、このデミオXDは実用車ながら、なかなかの「欠陥」を抱えています。決してダメなクルマではなく、他の4台と同様で狙った長所でリカバリーをしていますが、困ったことに・・・長所は「ディーゼルであること」、そして短所も「ディーゼルであること」。マツダが「諸刃の剣」と承知しながら投入した問題作。おそらく次期モデルでは、この『XD』に相当するグレードは、マツダがすでに予告しているように「EV」となって登場することになりそう。
マツダのこの1.5Lディーゼルが登場すると、間も無くト◯タ陣営の研究所から、ディーゼルエンジンの小排気量化は「非効率でしかない!!」といった内容の技術論文と見解が出されました。うるせー!!ト◯タだって欧州ではオー◯スにB◯W製のグレーすぎる1.6Lディーゼル積んでるじゃねーか!!トヨタはタウンカーにディーゼルを積むなんてクレイジー過ぎると発狂しているようですが、その趣旨はディーゼルで「ちょい乗りすると非常に不味い」ということらしい。確かに使い方はデリケートな問題かも。
まあそれはともかく、ディーゼルの難点をデリケートな温度管理をして燃焼をコントロールする技術を磨いたマツダが、その応用でHCCIをSPCCIという形で部分的に実用化に漕ぎ着けたわけですから、2019年に1.5LディーゼルをSPCCIかEVに置き換えてしまえばOKじゃないの。現行のデミオXDは過渡期だったということで・・・。