文化を破壊した日産
実際のところ自動車技術の進化によって、アナログな運転感覚が恋しく思っているタイプの日本市場のクルマ好きのテンションはどんどん下がる一方だ。10年前と比べてもAMGやアルピナを一生に一度くらいは所有してみたいと熱望する人は確実に減っていると思う。MTでは制御できないレベルでのハイパワー化が当たり前になってしまったが、その転機を招いたのは2007年の日産GT-R登場だったかもしれない。水野和敏さんはユーチューブでクルマ文化への理解をレビューにおける評価基準にしていることが多いけど、この人自身が文化的に一番大事なものを破壊した張本人だったりする。
スクラップ&ビルド
2007年に日本市場でBMWが後にも先にも最大のセールスを記録した。当時は今よりもずっと多くの人々がBMWをカーライフの目標に掲げていただろうし、私自身も最高の憧れを持ってきた歴代欧州車は、ポルシェのモデルではなくE39型5シリーズだった。しかし今ではメルセデスもBMWもハイエンドモデルは・・・GT-Rを模したようなAWD&6気筒ツインターボばかりとなり欧州では2000万円、日本では2500万円くらいで売っている。こんなにもドイツメーカーにはオリジナリティってものがなかったのか!?・・・長年憧れ続けてきた日本のクルマ好きには期待ハズレな展開だ。そんな絶望的な気分にもう10年くらい浸っている。