上級モデルを喰う
2007年以前のドイツ車と限定してしまうのは無粋だけど、まだサラリーマンにも手が届く価格で、操作感が良いモデルが結構多かった。新車で100万円を下回る普通車が販売されていた時代だから、400万円でも相当に高価に感じたけど、今ではその価格帯でオーラやゴルフが販売されている。2000年代はまだまだ低コスト車な雰囲気を出していたゴルフも今ではすっかり高級車然とした静粛性やフラット感を手に入れている。オーラも上級モデルを喰ってしまうような基本性能、静粛性、フラット感。
トヨタに負けない戦略
もちろんそんな小洒落た高級感なんぞいらねー!!って人もいるだろう。もっと買いやすい価格で出せ!!走行性能をもっと上げろ!!という意見もわからないでもない。しかしその領域はすでにスイフト=スポーツやロードスター、BRZ、86といったモデルによって占められている。毎日乗る人にとっては、運転している時間がより上質なものに変わるし、休みにドライブだけ乗る人にとっても貴重な気分転換がより効率の良いものになるという意味で、アタッチメントとインターフェースの高級化は非常に重要な戦略だと言える。トヨタの過激なダンピングに泣かされてきたモデルはいくつもあったけど、オーラやゴルフは互角以上に戦えている理由はおそらくこれだ。