最高の日本メーカーを考える・その2

これぞ「欧州車」だ

欧州向けのスタイリングが斬新だ。斬新なのか野暮なのかちょっと判断が難しいが、日本でも「ヤリス」の名称で販売が始まった。生産は日本なんだけど、どの欧州メーカーBセグ車よりも「欧州車」な感じでなかなかクセがすごいスタイリングだ。リアフェンダーの造形が特徴的過ぎて、他の部分の意匠がついつい思い出せなくなる。内装も至って簡素な仕上がりで、ハイエンドなロードバイクの価格で買える手頃さが売りのクルマなのだからこれでいいと思う。MAZDAやホンダが何かに追われるように同クラスモデルの内装を必死で上質に仕上げているのとは対照的だ。古き良き欧州車のような簡素さこそが美徳・・・そんなセールストークも成立するだろう。内外装の高級化が著しいプジョー208やMINIなどは「欧州車」としては邪道!?失格!?

手が込んだマーケティング

もし現行ヤリスが、WRCにも参戦していて欧州で大人気というバックボーンもなしに、まっさらな新型モデルとして日本市場限定で登場したらどれくらい売れただろうか!?燃費では日本市場のどのモデルよりも経済的なので、全く無視されズッコけるということはないと思う。それでも偉大なるトヨタのマーケティング部門が総力を挙げて、コンパクト&エコなコンセプトを突き詰めたクルマを「魅惑の欧州スペシャリティカー」へと昇華させた。クルマの性能を突き詰めるのはもちろんだけど、所有欲を満たしてくれるブランディングへの努力も含めて、総合的にユーザーの満足度を高めてくれてこそ「最高の日本メーカー」にふさわしい。




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