10年ひと昔
前触れもなくやってきたカローラのMCで、10年ほど前に買った最終形のGHアテンザセダンが2L自然吸気で本体価格220万円だったのを思い出した。ちょっと信じられないが、220万円のクルマだけども、フロントDWBであり、今もイギリスのスポーツカーに使われているショートストロークのMZRエンジンが載っていた。その頃のMAZDAはアテンザの最上位グレードもRX-8も300万円以下の設定だったが、時は流れ、今では本体価格が500万円を超えるモデル(CX-60、CX-8)が普通に売れているらしい。
今年の年次改良でMAZDA3の2Lエンジンにはマイルドハイブリッドが付くようになった。9月頃だったっけ。それほど日が経ってないタイミングで、カローラスポーツには、隠し球の2Lダイナミックフォースエンジン(170ps)が搭載された。1.2Lターボから据え置きの220万円からという「一人勝ちモード」の価格設定がされた。2018年のデビュー当初からこのグレードを出しておけば、カローラが文句なしで日本COTYだったんじゃなかろーか!?まあ当時はハリアーやRAV4を売りたかったようだが。
日本メーカーのグローバル・グレード
現在もハリアーの納車待ちはかなり深刻なようで、半導体不足がなかなか解消できず、2Lダイナミックフォースエンジンの生産調整が難しくなったのだろうか。そもそも北米向けカローラに搭載されているエンジンであるし、オーストラリア向けに右ハンドルで輸出しているモデルをそのまま日本向けに流すだけの手間なのに、最初から発売3年後の起爆剤として用意されていたのだろう。それでもトヨタの本気の海外向けモデルが日本市場に登場したのだから素直に歓迎したい。
日本メーカーの「海外向け本気モデル」は、トヨタ、ホンダ、日産の大手3社には多数ある。閉塞気味の日本市場を打破したくなったタイミングで重い腰を上げ2〜3年落ちのモデルを新規で投入してくる。ホンダのシビックやZR-Vのe:HEVと1.5Lターボはグローバルスタンダードモデルであり、この2台の登場でホンダへの注目度はかなり高まった。他にもスカイラインのVR30DDTT搭載モデルや、レクサスIS・500などが「後出しじゃんけん」として挙げられる。