CX-5はMAZDAらしくない!?
2020年にMAZDAが発売したMX-30は、マイルドハイブリッド版とEV版が用意されたたが、MAZDAの担当主査もカーメディアも「従来の男目線のMAZDAからの脱却」だと説明していた。これはこれで納得できるものであるのだけど、例えば現在のMAZDAの大黒柱であるCX-5が「男目線の乗り味」と言われると、え?そんなことないのでは!?という気がする。軽いアクセルフィールで軽快に加速するディーゼルだったり、ある程度の踏み込みが要求される自然吸気ガソリン、MAZDA車では桁違いに出力が大きい2.5Lターボなど、エンジンそれぞれに癖になる乗り味があるけど、MAZDA車らしい固めた足回りや鋭いハンドリングはかなり抑えてあり、充実している運転支援でかなりリラックスして走れる。第二世代CX-5に対する大方のMAZDAファンの感想は「ちょっとトヨタ車に近くなったかも」がリアルなところだろう。
パクられやすいクルマを作ったMAZDA
CX-5は第一世代が発売されてすぐにグローバルで40万台を超えていった稀有な大成功モデルであり、ハリアーやヴェゼルに影響を与えるのも当然のことだ。しかし「パクられる」最大の理由は、このクルマがMAZDAの特色である従来のスポーティな乗り味で評価されたわけではなく、トヨタやホンダなど北米でプレミアムブランドも展開する大手メーカーが無視できないようなクルマ作りをまざまざと見せつけたからだと思われる。レクサスよりも静かなのでは!?という声が漏れるほどだった。従来のMAZDAの新車は慣れていないと、路面からの突き上げに閉口したものだったけど、第二世代のCX-5はそんな「MAZDAの洗礼」が無くなっていて、これまでとは別の「上質」な乗り味を追求していた。これはMAZDAなのか!?という声もあるだろうけど、第一世代で大成功を収め、その開発を進める中で、高級ブランドのSUVを上回る「質感」が作れると判断したのかもしれない。