MAZDA味は顕在化する
ホイールベースや車重にこだわって設計したロードスターによって追求された乗り味が、それを大きく超えるホイールベースや車重のモデルにおいても表現されるのはちょっと不思議な気分だ。MAZDA2、CX-3、MAZDA3、CX-30、MX-30、CX-5、CX-60など2600〜2850mm前後までホイールベースが開いたモデルにも「MAZDA車」らしさが宿る。日本よりもイギリスやアメリカのレビューでよく語られている。
ロードスターの乗り味を作りこんでいるテストドライバーの感覚が、MAZDAの他のモデルにもエッセンスとして顕在化する。制御しやすくてレスポンスにも優れたガソリン自然吸気を他のモデルでも積極的に使っている。MAZDAユーザーのやや過敏になってしまうようで、過給されるディーゼルやスカイXだったり徐々に増えてきたマイルドHEVにも幾らかの違和感がある。MAZDA以外が採用しているフルHEV、BEVやVWやBMWなど欧州車で多い低回転型ガソリンターボもレスポンスが悪いことに気がついてしまう。
グレートリセットか!?
そんなMAZDAも2030年には電動化率100%を掲げている。NDロードスターと、MAZDA3の1.5LエンジンとCX-60やCX-80の3.3Lディーゼル(MHEV無し)を残すのみとなった。10年前にはロードスターの走りをスライドドア3列ミニバンで表現したプレマシーは、GR86のスクエア水平対抗よりもさらにスポーティなショートストロークのMZRエンジンで走っていた(NCロードスターやケータハムなどで使われた本気エンジン)。
次期型ロードスターの存在は明言されているが、BEV化する方向で固まっているらしい。2030年にNDが引退するとして、ガソリン自然吸気で42年間走り続けたロードスターの基本設計が根本的に変わるとき、MAZDA全体のクルマ作りも一気に変わるのかもしれない。残された3年余りの期間には、フルHEVモデルとBEVモデルが続々と登場する予定だが、コンセプトカーとして発表されたアイコニックspが新しいMAZDAの「マザーモデル」になるのかもしれない。