高級ブランドBMW
2010年代の中頃から、日本市場のBMWにSUV化と横置きエンジン化の波が押し寄せた。「FFの横置きはBMWと呼べない」という反発意見こそ多かったものの、手軽に輸入車に乗りたいユーザー層に普及した。現在は円安の煽りを受けてボトムモデルでも500万円以上になっており、販売はあまり芳しくはないようだ。
以前はブランドでトップの売り上げを誇っていた3シリーズも、現行モデルを見かけることは稀になった。ドイツ車所有が当たり前の地域に行っても、現行3シリーズに出会うことはほとんどない。東京都港区(ドイツ車率70%?)では、BMW車ではSUVを除くと10年くらい前に発売されたi8を割と頻繁に見かける。デザインが派手なことが都会派にウケたようで、テスラ・モデルSと並んで7〜8年くらい前から港区の定番の電動車となっている。
3シリーズはどこに消えた?
東京都世田谷区(ドイツ車率40%)でも、東京都八王子市(ドイツ車率10%)でも3シリーズはほとんど見かけない。クルマが多過ぎて、ほとんどの時間で道路が麻痺気味の東京では「駆け抜ける喜び」が感じられないのかもしれない。高規格道路が縦横無尽に張り巡らされていて、BMWの走りが楽しめそうな埼玉県でも、それほど状況は変わらない。月に1、2回くらいしか出かけないけども北関東3県でも、BMWはかなり少なくなっている感じだ。
東京からドライブ好きが集まる伊豆半島でも、東京都や神奈川県のナンバーのクルマで多いのはポルシェ、メルセデス、MAZDAの3ブランドだ。見た目重視のチャラいクルマ選びの層が買うブランドゆえに、人目に付きやすい伊豆で見かけることが多い。2020年代になっても頑なにBMW3シリーズを新車で購入するような「ガチ勢」は、貴重で至福なドライブの時間を、そんな観光地で浪費はしないのかもしれない。