最高の日本メーカーを考える

 

複雑なマーケティング

フェアレディZ、シビックtypeRはすでに次期モデルが予告されている。日産やホンダを駆り立てているのは北米市場での中古車人気ぶりから、今後も十分なマーケットが確保できると判断されるからだろう。アメリカでは25年前のスズキ・アルトワークス(日本からの右ハンドル中古車輸出)も高値で取引されているらしい。日本メーカーの経営陣が判断すべきことは、EVユニットの低価格化のペースを読み、適切なバージョンの普及モデルを発売しつつも、エンジン開発リソースを保持して年間3000km程度の走行で30年以上の使用に耐えうる「工芸品」的なクルマ市場で主導権を取れる技術の開発を行うことなのだろう。

 

先進国の製造業

洗練された機械式時計ムーブメント製造は、家電製品などと違い、新興国メーカーの大規模な市場への流入を防いでいる。ユーザーのブランドへの忠誠心は高く、生産地域の限定がブランド価値を生んでいて、低価格化が全くと言っていいほどメリットにならない。クオーツより不正確で高価格な腕時計の存在意義が理解できない人から見れば不思議でしかないかもしれないが、機械式時計の市場は決して損なわれていない。誰もがスマホで時間を確認し、連動するスマートウォッチも普及して一元化する世界ではあるのだけど、フラット化する世界の価値観に飲み込まれるのを嫌がる人々が、挙って一眼レフや機械式時計を求めるようだ。




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