これがスライドドア車の加速か!?
途中でペースが緩むところもあったが、前走車を余計に刺激したくないので50m以上の車間を維持し続けた。こちらがブラインドのコーナーを抜けると、カングーは1つ先のコーナーへ飛び込んでいくくらいの距離感だ。対向の四輪車は全区間を通じて軽トラが1台だけ、他に二輪車が数台やってきた。対抗車をかわすカングーの所作を見る限りでは、クルマ好きなベテランのユーザーのようで、ペースこそ速いものの堅実な運転動作がわかる。
ブレーキペダルの回数はカングーの方が圧倒的に多い。ちょっと長い直線があると強烈なトルクで加速するので、おそらくディーゼル車だろう。歴代カングーにはあまり詳しくないのだけど、ハッチが観音開きなので2023年登場の現行モデル(三代目)で、フェンダーが無塗装樹脂なので初期モデルだと思われる。ルノーの1.5Lディーゼルターボは最大トルク27.5kgmで、先日に販売が終了したMAZDA3の1.8Lディーゼルと全く同じ値である。
街中で速い欧州車たち
60km/h前後までの一般道レベルの加速では、15MBのガソリンNA(最大トルク15.2kgm)とは推進力が違ってくる。最大トルクが2倍近いので2ペダルで軽く踏むだけで5速・6速でもグイグイ加速するし、低速コーナーからの加速が多いので3速・4速まで落としている。さらにスペック表を見たら現行のカングーは全車7速DCTだ。VWのディーゼル(ゴルフヴァリアント、ティグアン、Tロック)はおとなしい見た目ながらも街中での立ち上がり加速はBEV並みに速い。このカングーも排気量やトルクこそ違うけど、ディーゼル&DCTの欧州車スペシャル仕様である。
横置きは全滅してしまったが、MAZDAディーゼルもトルコンATにもかかわらず、どのモデルも推進力が予想を上回るレベルだった。初期の2.2LディーゼルにはMTも組み合わされていたが、ロックアップのトルコンATの完成度が上がったためか、いつしか全て2ペダルになっていた。それでもトルコンATよりMTの方が推進力は強く感じる。MTと同じ直結のDCTで、私の手動MTよりも絶対的に早い変速スピードは、日本の峠道で想像以上に威力を発揮するのかもしれない。
