ホンダとMAZDAの決断
結果論でしかないのだが、9代目アコード、3代目アテンザはどちらも大きく販売を減らした。どちらも歴代のモデルは、世界の自動車メーカー幹部を驚愕させてきた、日本の自動車産業を代表する存在だったが、今では見る影もなくなっている。藤原さんはフロントにダブルウィッシュボーンが使える縦置きシャシーでアテンザの伝説を復活させようとしていたが、現実的な経営判断でSUVしか作られていない。
アコードやアテンザの存在感が薄れていく中で、販売を伸ばしたテスラは、基本グレードのモデル3であってもフロントはダブルウィッシュボーンだ。重量が増えるBEVで、ストラット・タワーバーがへし折られないようにして走行性能を担保する現実的な判断でもある。ボデーが大型化して重量も増えた9代目アコードや3代目アテンザは、セダンの形をしたピープルムーバーに成り果てた。それならば最初からオデッセイやMPVを買えばいい。ストーリー性が喪失した高級セダンを誰が好むのか!?
カムリという堕落
ホンダ、MAZDAがスポーツサルーン開発から撤退し、セダンに失望したオッサンが新しいツアラーとしてSUVへと移った。初代ヴェゼルと初代CX-5は好調なセールスで、2014年頃にはトヨタ車を駆逐する勢いだった。ホンダもMAZDAもセダンを見限ってSUV開発に資源を集中させる。メーカー側はセダン離れだから仕方ないと結論するだろうが、BMWもメルセデスもまだまだセダンはよく売れている。正確にはセダンでBMWやメルセデスを超える情熱が無くなったということだろう。
2010年までは、BMW3シリーズのようなスポーツサルーンだったアテンザ、アコードだったが、車台共通化を断行しホイールベースが伸び車重も増えトヨタ・カムリみたいになった。北米市場ではカムリとは退屈で無個性なクルマの代名詞として映画でもしばしばジョークに使われている(アメリカンビューティーなど)。今でも時々見かける3代目アテンザ(MAZDA6)のドライバーは、カムリに乗ってそうなタイプのメーカーにこだわりがない感じの人が多いように見える。