上客だけを掴む
2010年代に北米市場で目覚ましい躍進を遂げ、営業利益率は世界トップに立ったスバルだが、大成功の要因は「日本市場の切り捨て」と見る向きもある。現行のプロパーモデルではBRZ以外ではMT車が廃止されている。MAZDAやトヨタがボトムグレードにMT車を用意する中で、インプレッサをCVTのみとした。クルマ好きの需要がインプレッサのMTに流れてしまうのと止め、高額化するWRXや2代目BRZの販売に回す戦略だ。
アイサイト&CVTを言い値で買ってくれるクルマに無関心な富裕層と、スバルの高額モデルを躊躇なく買ってくれるお得意様にWRXのMTの限定モデルを融通する。これによって顧客リストが厳選された。CVTなんて絶対いらない!!とかいう「こだわり」を持つ、うるさくて面倒なユーザーはトヨタ、ホンダ、MAZDA、スズキへと流れる。街中で見かける新型スバル車のユーザーは、いかにも客層が良さそうだ(フォレスターを除く)。
近所をブラブラ
2013年に初代が発売されたレヴォーグは、高性能ワゴン車として熱い支持を得た。近所の駐車場には幾つか停まっていて、スバルのフラッグシップとして中古車市場でも一定の地位を得ている。輸入ブランドのクルマがそこら中でたくさん走っている東京都の中央部において、「格負け」しない存在感を発揮する日本車は貴重かもしれない。中古で手頃にレヴォーグを買うユーザーの大きな満足感になっているようだ。
「丘サーファー」ならぬ「街乗り専門の走り屋」(注意:ここでの「走り屋」とは峠で道交法違反を繰り返す人々ではなく、長距離ドライブを趣味として嗜む人々を指します)が近所に増えている感じがする。レヴォーグを駐車場に飾っておくだけで「走り屋」の気分だけ味わえる。東京でクルマを保有する層は、仕事が忙しくてなかなかクルマに乗れなかったりする。休日に近所(調布、三鷹、国立など)をサイクリングすると「街乗り911」の多さに驚く。