デザインより燃費
前述したが、フルHEV専用車のクラウンに対して、マイルドハイブリッドのCX-90がダブルスコアだ。フルHEVを主力に据えるトヨタとホンダは、ストイックに燃費を追求した結果、ボデータイプやデザインで大きな制約を抱えている。フルHEVが登場する前のトヨタやホンダのデザインは個性的なものがいくつもあったが、今ではCX-5を模倣しただけのハリアーやヴェゼルが一番まともである。
デザイナーの自由な発想の優れたデザインは、車高が低いまたは高いモデルに多い。MAZDA車のデザインが優れている理由がこれだ。フルHEVは腰高なロードカーもしくは、クロスオーバータイプの空力を考えたSUVのデザインが多い。ヤリスクロス、カローラクロス、クラウン、ハリアー、レクサスNXなどCX-5で隣に並ぶと、かなり座面が低いことに気づく。多くのモデルがMAZDAだとCX-30に近い車高になっている。CX-30も、より低いMAZDA3や、より高いCX-5と比べると、MAZDAの中ではマイルドな印象だ。
デザインが暴走するトヨタ
プリウスは5世代目にして腰高に感じさせないデザインを追求したが、クーペルックのスペシャルティカーとしては厚ぼったいサイズ感である。HEVだけでなくBEVにも同じ傾向が見られる。テスラ、ヒョンデ、BYDのBEVは、モビリティのデザインとしては納得できるが、歴史的名車を名乗るようなものではない。これらのメーカーが過去に普遍的デザインを完成させた経験がないという見方もあるが、MAZDAが海外市場で発売しているEZ-6(MAZDA6e)やEZ-60(CX-6e)も野暮ったい。もし自信があるなら日本や北米に投入するだろう。
現状ではHEV主体のトヨタやホンダより、ICE主体のMAZDAの方がスタイリッシュではあるけども、MAZDAも2027年から自社開発フルHEVが複数のモデルに搭載され、2028年から自社開発のBEV専用モデルが投入される。2年後のMAZDA車も今と同じようなプロポーションを維持できるのだろうか。それよりも先に登場しそうな次期カローラがトヨタのイメージを塗り替えてしまうのか。