10年で全てが変わった
個人の趣味で、クルマの良し悪しを定義するのはナンセンスだが、2Lターボ&多段ATの高級サルーンは全て駄作じゃないか!?と思っていた10年前の感覚は、2026年の現在で答え合わせをすると間違っていなかったと胸を張りたい。あの頃のカーメディアは、MAZDAの開発者に対して、「なんでターボ化しないのか?」「ATを多段化しないのか?」などの愚問がベストカーでは毎回のように書かれていた。そしていまだにそのレベルの認識で動画活動するインフルエンサーもたくさんいる。
輸入ブランドを中心にBEV化が進行したおかげで、MAZDAが10年以上前から変えずに貫いた信念は、ある程度は広く理解されるようになってきた。実際にターボでも多段化でもないロードスターは、ND発売から10年以上が経過して、その存在感が大きくなっている。一方で多段化ターボ化の価値はほぼ失われた。中国市場に見捨てられ、駄作かつボッタクリ価格で10年あまり放置してきた必然の結果でもある。レクサスも日産も2Lターボに関しては日本市場向けには封印した。
それぞれの購入理由
街中で見かけるノーマルな型落ちBMWに、学生っぽい人が乗っていることが多い。カーライフ1周目としては、なかなか贅沢な設計だと思う。勝手な想像に過ぎないが、今後はもっと良いクルマを手にするため仕事へのモチベーションが上がったりするのだろう・・・まあ氷河期世代にはなかった感覚である。乗り換え候補の中で最上級に位置するのが、ポルシェ911やR35GT-Rだろうか、これらに乗り換えて始まる華々しいインスタ人生こそが自己肯定感の源泉なのだろう。
アラフィフになって150万円で型落ちBMWの2Lターボに乗る選択は、簡単には理解できない。それでもあの福野礼一郎さんがF30やアルファ・ジュリアに乗っていたのだから、カーライフ2、3周目の人々に刺さる何かがあるのかもしれない。それとも日本メーカー車を除外して足クルマを選んだだけかもしれない。勝手に結論してしまえば後ろ向きな理由だろう。すでにレクサス、日産に続きジャガー、アルファロメオ、アウディがこの設計から卒業しつつある。